スターリング近似は、大きな n に対して n! ≈ √(2πn) · (n/e)ⁿ と表せることを述べる。順列を数える式の中に π と e が同時に現れるのは印象的である。n = 10 なら誤差は 1% 未満、n = 100 なら 0.1% 未満になる。n が大きくなるほど、この公式は限りなく正確になる。
相対誤差 |n! − Stirling(n)| / n! は n = 8 で 1% を下回り、n = 80 で 0.1% を下回る。大きな n では、スターリング近似は事実上正確である。
アブラハム・ド・モアブルは 1730 年、n! ≈ C·√n·(n/e)ⁿ という形を発見した。ジェームズ・スターリングは同年、定数 C = √(2π) を特定した。√(2π) が現れるのはガウス積分による。ガンマ関数を通して導くと、積分 ∫e^(-t²)dt = √π が現れ、それが π を公式の中へ運び込む。
対数形は物理学のあらゆる場面で使われる。統計力学では、ボルツマンのエントロピー公式 S = k·ln(W) に巨大な N に対する ln(N!) が現れる。スターリング近似により ln(N!) ≈ N·ln(N) - N となり、計算が可能になる。完全な漸近展開では補正項も加わり、n! = √(2πn)(n/e)ⁿ · exp(1/(12n) - 1/(360n³) + ⋯) となる。
対数目盛では n! とスターリング近似はほとんど見分けがつかない。相対誤差は n が大きくなるにつれて 0 に近づく。