バーゼル問題は、1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + ⋯ の正確な値は何か、という問いである。この級数は収束するが、どこへ収束するのか。ピエトロ・メンゴリが 1650 年に提起し、84 年もの間だれにも解けなかったが、1734 年に 28 歳のオイラーが解決した。
部分和はゆっくりと π²/6 ≈ 1.6449 に近づく。1734 年、オイラーはその極限が正確に π²/6 であることを示し、解析学と幾何学を結び付けた。
オイラーの証明では、sin(x)/x のテイラー展開を、その零点 ±π、±2π、±3π… にわたる無限積として因数分解する。積表示の x² の係数とテイラー展開の係数を比較すると、ただちに Σ 1/n² = π²/6 が得られる。これは数学でもっとも有名な計算の一つであり、ここに π が現れるのは偶然ではない。円や球は、リーマンゼータ関数を通じて整数の和と自然に結び付いている。
各項 1/n^2 は急速に小さくなる。その総和は正確に π^2/6 ≈ 1.6449 に収束する。
この結果は一般化される。ζ(4) = π⁴/90、ζ(6) = π⁶/945 であり、偶数のゼータ値はすべて π の冪の有理倍になる。一方、ζ(3)、ζ(5)、ζ(7)… といった奇数値ははるかに神秘的である。アペリーは 1978 年に ζ(3) が無理数であることを証明したが、π を使った閉形式は知られていない。
無作為に選んだ 2 つの整数が共通因子を持たない、すなわち互いに素である確率は、正確に 6/π² であり、これは π²/6 の逆数である。およそ 60.8% にあたる。バーゼル問題が整数論と確率を直接つないでいることがわかる。